
課題
車載システムをWi-Fi経由でモバイルネットワークへ接続した際、サーバーとの通信に約5秒の遅延が発生し、画面上のアイコン表示にも異常が生じる事象が発生していました。
当初は、車載機器内部やWi-Fi通信経路におけるHTTP通信の遅延が原因と考えられていました。しかし、複数の機器やネットワークを経由するシステムであったため、どの区間・処理で遅延が発生しているのかを正確に特定することが課題となっていました。
導入ソリューション
Linuxプラットフォームおよびネットワーク通信の知見を活用し、車載機器の入口・出口など複数のポイントで通信ログを取得し、パケットの送受信タイミングを詳細に分析しました。
パケット解析ツールによる解析に加え、必要に応じてカーネル内部の処理時間まで確認できる解析環境を構築。単純にエラー発生箇所のみを確認するのではなく、通信開始前からサーバー到達までの一連の処理を追跡することで、遅延発生箇所の切り分けを行いました。
その結果、当初疑われていたHTTP通信自体には約5秒の遅延は発生しておらず、HTTP通信に先行するDNS問い合わせに対してサーバーから応答が得られない場合があることを特定しました。
効果
通信経路や車載機器内部の処理が原因ではないことを、客観的なログデータに基づいて明確化し、問題の発生箇所をDNS通信へと絞り込むことができました。
これにより、関係する開発チームが調査対象を適切な領域へ集中できるようになり、複雑な車載システムにおける不具合解析の効率化と早期解決に貢献しました。
また、通信ログを根拠とした解析結果を提示することで、原因推定ではなく、再現性と客観性のある形で問題を切り分けることができました。
- 原因箇所の迅速な特定を実現
- 不具合解析の効率化と早期解決に貢献
- 調査対象の適切な絞り込みによる調査効率向上
- 通信ログに基づく客観的な問題切り分けを実現





