組込みLinuxパッケージBRICK eLinux

組込みLinuxとは

組込みLinuxとは、パソコンやサーバー用に開発されたLinuxという汎用のOSを、組込み機器上で動作するよう調整したものを指します。
メーカーが自社製品のため独自に設計したコンピュータボードはもとより、製品内部に部品として組み込むための半製品ボードや、産業用パソコンの代わりになるようなコンパクトな組込みコンピュータ、Raspberry Piのような教育用コンピュータに組込みLinuxは採用されています。

パソコンやサーバー用のLinuxは、IBM PC互換のコンピュータでで動作するため、OSディストリビューターやベンダーが様々な互換機向けに配布・販売していますが、組込みLinuxはメーカー独自設計のボードで動作するため、OSのハードウェアに近い部分はボードに合わせた独自設計が必要になります。

組込みLinuxのベースとなるLinuxは、長い歴史の中でOSのデファクトスタンダードになっており、最も開発環境や開発言語が充実しているOSです。そのため、これらの環境を採用することで大規模なソフトウェアや抽象度の高いソフトウェアの開発が可能です。
また、Linuxの開発はボランティアや企業の社会貢献によって支えられ、長い歴史を通して膨大なソフトウェアがソースコードと共に無償で公開されています。
オープンソースソフトウェアと呼ばれるこのソフトウェア資産を活用することで開発コストの圧縮と、自社製品向けのカスタムが可能です。
これらの理由から、現在最も注目されている組込み開発用のOSです。

組込みLinuxのメリット

開発環境が先進的で開発効率が高い

従来組込み機器は、車や電化製品のようにハードウェアを制御することが主な目的でしたが、技術の進歩に伴いカーナビのように情報処理を目的とするものが登場しました。
これらは、オブジェクト指向やサービス指向などのモダンな設計思想で設計されていますので、従来の組込み向け開発環境では開発が難しく、先進的な開発環境や開発言語を利用できるLinuxが必要になります。

豊富なオープンソースソフトウェアが無償で利用できる

また、製品価値の中心が制御から情報処理へ変化したことで、開発の優先度も情報処理にシフトしています。さらなる競争領域への開発資源集中のため、非競争領域となるネットワークやストレージなどは開発を簡単に済ませたいのが本音でしょう。
前述の通り、Linuxは無償で利用できるオープンソースソフトウェアが豊富にありますので、これを製品に組み込むことで競争領域の開発に集中することができます。もちろんランタイムライセンス費用もかかりません。

 製品に合わせたカスタマイズができる

オープンソースソフトウェアのメリットはライセンス料がかからないことだけではありません。その名の通り、ソースコードがすべて公開されていますので、開発する製品にあわせたカスタマイズや、万一の際の不具合調査もお手の物です。
バイナリで提供されるミドルウェアでは実現が難しいこれらの課題も組込みLinuxでは大きく改善します。

組込みLinuxの課題

とはいえ、組込みLinuxにも課題はあります。
まず、インクジェットプリンタのヘッド制御など、タイミングがシビアなアプリケーションソフトウェアには向いていません。Linuxは沢山のプログラムを同時に平等に実行するのは得意ですが、その実行順を精密に制御するのは得意ではないからです。そのような用途にはLinuxではなくリアルタイムOSを利用するのが良いでしょう。
また、機能安全開発も向いていません。膨大な数のエンジニアが寄付した膨大なソースコードで動いているため、ホワイトボックステストや静的解析ツールによるテストをする必要があっても、量が多く現実的に実施不可能だからです。

ソースコード開示は課題ではない?

よく、Linuxやオープンソースを採用すると、ソースコードを開示しなければならないと言われます。これは、一部のオープンソースソフトウェアが、関連ソースコードの開示を条件に利用を許諾しているためです。
メーカーとしては、製品に搭載するソフトウェアや、そのソースコードは秘密情報になるため受け入れがたいとは思いますが、オープンソースの理念を尊重し、社会の共有財産として公開すべきものと競争力維持のために秘密にするものを分離することで、安全にオープンソースソフトウェアを利用することは可能です。
そのため、私共はソースコード開示は課題ではないと考えています。

汎用性が高く優れた組込みLinuxを、 御社製品に導入しやすくするための サービスパッケージが BRICK eLinux です。

BRICK eLinux の特長

開発ノウハウをパッケージ化

このような優れた特徴を持つLinuxですが、お客様の製品で組込みLinuxとして動作させるまでには、困難が伴います。お客様設計のボードに組込みLinuxを搭載するということは、Linux OS の移植が必要ということを意味していますし、たとえLinuxが動作したとしても、経験者でなければネットワークやストレージをどのように設定してよいかわからないでしょう。
他の商用OSに比べ、組込みLinuxの技術者は圧倒的に少ない上に、ドキュメントやトレーニングも無いため、そもそも開発チームを立ち上げることすら出来ないかもしれません。そこで、大阪エヌデーエスは組込みLinuxの開発サービスをセミカスタムメイドのパッケージとして提供します。
豊富な実績で培ったノウハウをぎゅっと詰め込んだBRICK eLinuxを是非ご活用ください。

BRICK eLinux ご提供サービス

お客様開発ボードも汎用ボードも組込みLinuxのことならお任せください。

お客様設計のボードに組込みLinuxを移植したいお客様には「セミカスタム 組込みLinuxポーティングパッケージ」を、組込みLinuxの動作しているボードに製品機能を実装したいお客様には「セミカスタム 組込みLinuxインテグレーションパッケージ」を、エンジニアの教育や開発チームの立上げ、保守支援をご希望のお客様には「セミカスタム組込みLinuxトレーニング・メンテナンスパッケージ」を用意しました。

これらのパッケージを通じ、大阪エヌデーエスはお客様の組込みLinux採用を応援しています。

  • お客様開発ボード向け
  • セミカスタム

組込みLinuxポーティングパッケージ

お客様開発ボードへの組込みLinuxポーティングをセミカスタムサービスで提供

サービスメニューから選ぶだけで、お客様開発ボードに組込みLinuxを搭載

開発内容が
わかりやすい

開発予算が
計画しやすい

開発コストが
節約できる

  • お客様開発ボード・汎用ボード向け
  • セミカスタム

組込みLinuxインテグレーションパッケージ

組込みLinuxを製品仕様に合わせてセットアップ

サービスメニューから選ぶだけで、お客様製品に合わせて組込みLinuxをインテグレーション

搭載機能を
選びやすい

開発ノウハウが
手に入る

素早く
機能実現できる

  • お客様開発ボード・汎用ボード向け
  • セミカスタム

組込みLinux
トレーニング・メンテナンスパッケージ

組込みLinuxの開発立ち上げ・教育・運用保守の困りごとを解決

技術者や開発体制・保守体制構築の様々な課題に対応する豊富なサービスメニュー

運用体制を
構築できる

技術者を
育成できる

チームビルディング
できる

※記載されている製品・システム名は、各社の商標または登録商標です。

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